ゼニスより、バンフォード ウォッチ デパートメントとの提携によって生み出された特別限定モデル、「クロノマスター エル・プリメロ レイダー」が発売された。ゼニスブティックのみの取り扱いとなり、販売本数は50本である。
ゼニス「クロノマスター エル・プリメロ レイダー」
ゼニス「クロノマスター エル・プリメロ レイダー」
バンフォード ウォッチ デパートメントは、2003年に設立された世界的に有名な英国のカスタムウォッチメーカーである。ダイアルにはコラボレーションモデルであることを示すべく、ゼニスのロゴとともに「BAMFORD」の文字がプリントされている。自動巻き(エル・プリメロ Cal.400B)。31石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約50時間。SS(直径42mm、厚さ12.75mm)。10気圧防水。世界限定50本。82万円(税別)。
老舗ブランドの名機がまとう、新たなデザインコード
バンフォード ウォッチ デパートメントは、LVMHグループ公認のカスタムウォッチメーカーであり、LVMHグループ傘下のゼニスやブルガリ、タグ・ホイヤーといったブランドのカスタムウォッチを取り扱っている。これは、バンフォード ウォッチ デパートメントが、LVMHグループお墨付きの技術力を有していることを証明している。
今回、ゼニスより発売されたのは、同社が誇るハイビートクロノグラフムーブメントである「エル・プリメロ」を搭載した「クロノマスター」をベースとしたモデルだ。
それぞれで異なる3つのインダイアルは、このモデルの大きな特徴だ。そこには、バンフォード ウォッチ デパートメントのトップであるジョルジュ・バンフォードの強い思いが秘められている。9時位置のスモールセコンド表示の同心円のデザインは、彼の好むゼニスのヴィンテージウォッチに着想を得ており、6時位置の積算計は、クロノマスターの伝統的なデザインを踏襲している。スーパールミノバによって暗闇での視認性も確保されており、デザイン面、実用面双方に優れている。
3つそれぞれに異なる意匠が与えられたインダイアル、全体をマット仕上げとしたリュウズやプッシャー、そしてケース、外周に向かって次第に濃くなるブラウンダイアル等、既存モデルと異なるデザインコードによってまとめられている。
ひと際目を引くのは30分積算計に用いられる鮮やかなレッド。ダイアル上にこのような形でアクセントを入れるというアイデアは、ジョルジュ・バンフォードが初めてゼニスを訪問した際に見た、1916年製の懐中時計にインスピレーションを受けたものである。どこか懐かしいレトロな雰囲気をまといながらも、前述した挑戦的なデザインと相まって未来的な印象となっている。
本質的な要素を守りながらも新しいデザインコードを取り入れたこのモデルは、69年の発表以来改良を重ね続け、今なおハイビートクロノグラフムーブメントの雄として君臨する「エル・プリメロ」を象徴しているかのようだ。
厚みのあるストラップは、上面にコーデュラ・イフェクトを施したラバー製である。レッドカラーのダブルステッチがアクセントになっている。